リシェマ

By | 2015年3月11日

人は時に他人からの強い干渉や置かれる厳しい環境から、今までの認識を捨て認識を再構築する。
ならば、果たして今の自分は本当に自分なのだろうか。

翻す言葉の裏の深層心理
見つめるものは表層心理
裏の裏には自己意識包み込む

交差点行き交う人の落とす影
僅かな距離の青い吐息
白む空気の固着観念纏わる

軽薄に差し出した
腕へと覆い尽くす
他己から来るベクトル
自己からの乖離

失われた主観思考
求める無の回答
そしてリシェマ
誰かがそっと囁く

ささくれる錆びた鉄
欠ける石冷えた指
右倣う無作為は
悪意と肩を並べ

投げ捨てられた包装紙
乾く音アスファルト
視界は削がれたまま
認識が疑う

今、あなたはどちら?

蘇る記憶の中の帰属本能
求めるものは共生本能
裏の裏には自己防衛遮る

語りかけ壁より返る静寂の音
自閉に至る赤い雨
時に交わる被害妄想絡まる

個々の理想と思想
空白を埋める塵
自己の強いるベクトル
他己からの剥離

創り出した閉鎖思考
求める愚の正当
そしてリシェマ
自ら一つ叫んだ

佇むガラスの窓
結い繋ぐ石柱
反発するエゴは
救いを踏みにじる

空虚さえ保つ椅子
拒み続ける隙間
感覚の滲むまま
認識が疑う

今、あなたはどちら?

翡翠に揺れる水面
煙る砂星の屑
抱える感情は
心を歪め往く

終わりへ向かう羊
支える誰かの手
知覚へ辿り着いた
認識が疑う

今、わたしはどちら?

雄之助先生への歌詞提供3曲目。
雄之助先生に提供した曲の中では一番再生数が伸びたんじゃないでしょうか。
とはいえ歌詞の貢献度がどんだけあるのかとか伸びなくて申し訳ねぇとか毎度悩んだりしてますが

さて、歌詞はもう恒例の作者さんの訳が分からない歌詞シリーズ。

実は今までの歌詞はメッセージ性が非常に強いものだったんだけど、
どうにもそのメッセージ性を受け取られてる印象が薄かった。
なんというか、ボカロ系に良く感じるイメージなんですが、
聴く人は「曲」と「ミクが歌う言葉の響き」を重点的に聞いている気がします。
歌詞はそこまで深く意味を掘り返して考える人はいないんじゃないかと思いました。
逆に作者さんは歌詞に深く意味を求めるのが好きなんですけどね…

そこで、このリシェマはどちらかというと言葉や音の響きを重視して、
単語ベースで構築した歌詞です。

ただ、中身の無い歌詞が大っ嫌いな作者さんですので、
意味の無い単語の羅列なんて絶対書きません。
単語一つ一つから浮かぶイメージや風景、
それを組み合わせていくと、最終的に一つのストーリーとメッセージが生まれるって構成を
誰も気づかないような裏っ側に構成しています。

まぁその辺は非常に長くなるので下の方にズラズラと書いときます。

それとは関連する歌詞の意味の話ですが、
この歌詞には四字熟語やことわざを崩して埋め込んだ歌詞が存在します。
具体的には以下のとこ。

・「僅かな距離の青い吐息」
青い吐息 → 青息吐息
意味:困難な状況におかれたときにつく,ため息。

・「終わりへ向かう羊」
終わりへ向かう羊 → 屠所の羊
意味:刻々と死に近づいているたとえ。また、不幸にあって気力をなくしていることのたとえ。

元の意味を参照すると、一見何のことか分からない歌詞の意味が通るかも。
こういった一つの言葉を別の形で表現したりするの好きですね。

今までと方向性を変えたとはいえ、結局私色の強い歌詞でしたね。

——————-以下歌詞解説——————-
まず、リシェマとは造語なのですが、
心理学用語で「シェマ」ってのがあります。
意味としては「人間が環境に適応していく中で構築されていく認知システム」
要するに、人が成長していく上で色んな物事を認識して、
人それぞれが育ってきた環境ごとに考え方や価値観を構築していく事です。
つまり、「リシェマ」とはその「考え方や価値観が崩壊し、一から再構築される事」を意味します。

そして歌詞。

1番は、簡単に言うと「客体的思考」です。
歌詞を参照すると分かり易いです。

軽薄に差し出した
腕へと覆い尽くす
他己から来るベクトル
自己からの乖離

何の気もなしに、今までの自分の感覚のまま意志を示した途端、
他人から罵声を浴びせられます。
「認識を改めろ!」「お前は間違ってる!」ってね。
ブラック企業的アレです。

失われた主観思考
求める無の回答
そしてリシェマ
誰かがそっと囁く

「自己からの乖離」した者は、自分の考えを捨ててしまいます。
そして求めるのは「他人に習え」「他と同じ事をすれば問題ない」という
無言の回答とそれで得られる安心感。
既に他人からの圧力により認識や価値観は覆されました。故のリシェマ。
囁く言葉は「仕方ないだろ」です。
そうしないと自分を守れないから。

2番は所謂「引き籠り」
アクアリウムなソノリティです。

個々の理想と思想
空白を埋める塵
自己の強いるベクトル
他己からの剥離

「他人は他人、自分は自分、
だから自分はこう考えてんだから好きにさせろ!」
自らの疑問、答えの出ない部分を無理やり埋めて、
他人との関わりを絶ち、自らの殻に籠ります。

創り出した閉鎖思考
求める愚の正当
そしてリシェマ
自ら一つ叫んだ

閉じこもった人は自らの世界だけに通じる思考を構築します。
それが客観的にどれだけ愚かでも正当化します。
それは既に価値観の再構築。故にリシェマ。
叫ぶ言葉は「仕方ないだろう!」です。
そうしないと自分を守れないから。

終わりへ向かう羊
支える誰かの手
知覚へ辿り着いた
認識が疑う

今、わたしはどちら?

そうして歪んだ認識は知らぬ間に自らを徐々に追い込んでいきます。
でも、その時までそんな自分を支えてくれている
誰かの手に気付いたら……

きっとその時自らの状況にも気付くはずです。
「今の自分は誰なんだ?」と


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